最後の三日月先輩の声は冷たかった。

あたりまえだよ、あたしがあんな言い方をしたんだもん。

燎くんに行こうって言われて一緒に来た、あたしの下駄箱の前。さすがに他人が開けるのはよくないからってあたしも一緒に確認することになって。

ふぅっと深呼吸をして下駄箱をゆっくり開ける。まだ上履きだ、だからここに残ってるのは家から履いて来たスニーカーが…

「ないね、手紙」

ひょこっと覗いた燎くんがあたしより先に確認した。

「手紙は毎日来るわけじゃないの?」

「えっと…」

「てか中身って何が書いてあったの?差出人はなかったのにー…」

「あった」

三日月先輩が手に持ってた、あたしのスニーカーを。

その下に1通の手紙が置いてあった。

「まだストーカーされてるじゃん!!」

手紙を手に取ってスニーカーを戻した。表を見て裏を見て、何も書かれてないことを三日月先輩が確認する。

「真涼ちゃん、いくら犯人がわかったからってこのままはよくないよ!」

「大丈夫だよ」

スッと三日月先輩から手紙を横から奪い取った。

依頼はここまで、そう言ってたもんね。
手紙があってもなくても、ここまで…

「ねぇ、ますっ」

「真涼ちゃん、一緒に帰らない?」