なにあれなにあれ、むかつくーーーっ

智くんがストーカーなわけないもん!
智くんのことはあたしが1番よく知ってるんだよ!

だって幼なじみなんだからね!?


そんなことあたしが1番知ってる…


「……。」

ついカッとなって出て来ちゃった。

燎くんに紅茶のお礼言うの忘れちゃったなぁ…

「!?」

ふと立ち止まった瞬間、どこからか見られてる気がした。誰もいない廊下で気配を感じた。

嫌な予感に心臓がバクバクする。


誰…!?


「真涼!」

ハッとして振り返ると智くんが立っていた。

「どうかした?」

「ううん、なんでもない!」

「そう…?」

今、なんかぞわってしたんだけど…
びっくりした、智くんだったんだ。

「じゃあ帰ろうか、真涼のこと探してたんだよ」

お隣の智くんは朝は迎えに来てくれて、帰りもこうしてあたしを待っててくれる。
それは優しさで、ストーカーとかそんなんじゃない。

だって智くんは優しい人なんだもん。

「わっ、今日って雨!?」

下駄箱まで来たら外はザーザー雨がすごかった。

「夕方は豪雨だって天気予報で言ってたよ、真涼傘忘れたの?」

「うん…、忘れちゃった」

っていうか持ってない。
梅雨もあれだし、夏は台風多いし、傘いるかも…