「へ?」

あ、すっごい間の抜けた声で言っちゃった。

なんとなーく話は聞いてたけど、ティーカップ持ったままひとくちも紅茶飲んでなかった。

「なんだお前?気持ち悪いな」

「気持ち悪い!!?」

「真涼ちゃん彼氏出来たんだよね~♬」

「なぜそれを…!?」

まだ誰にも言ってなかったのに…!

思わずギュンッて燎くんの方見ちゃった。ティーカップ持つ手に力が入ってこぼすかと思った。

「うちのクラスまで迎えに来てたもんね、智くん♡」

…っ!

ボンッて顔が赤くなる、暑くて熱くてしょうがない。
燎くんも同じクラスだもん見られてたんだ、でもそれだけで彼氏って決めつけるのは…

「真涼ちゃん好きだったもんね、智くんのこと」

「待って、それ言ったことあったっけ!?」

「見てたらわかるだろ」

「三日月先輩まで!?」

誰にも言ってないし、隠してたのに…どんどん顔が熱くなるから。

「智くんに告白したら…っ、いいよって言ってくれて…」

意味なく前髪を触っちゃって、わざと手で顔を隠した。

初めて話したから、口に出しただけでドキドキしちゃうから。

でもちょっとだけ、聞いてほしい気持ちもあって…

智希(そいつ)がストーカーってことはないか?」