「親子のコミュニケーション!」

…親子のコミュニケーション??


って、これが!?


「え、嫌がらせが!?それならもっと他にできることない!?」

「ん~、そうかもしれないけど理事長もせーくんも不器用なんだよね~」

燎くんが三日月先輩たちの方を見たから同じように視線を変えたけど、まだ言い合ってた。
あーでもないこーでもないって、まだ…

「せーくんのママね、病気で死んじゃったの」

え…

さっきまで聞いてたから、カセットテープに入る声に理事長の思い出に、だからあたりまえみたいにここにいるんだって…

「それでちょっとせーくんと理事長ギクシャクしちゃってね。ほらよく言うじゃん?父親と息子はちょっと気まずい?的な」

「う、うん…?」

「まぁうちはパパと仲良しだけど」

「…。」

いつもクールで表情筋が仕事しない三日月先輩の筋肉がフル稼働して、それを理事長がニヤニヤしながら悪い顔で返して。

「これもいいんじゃなかなって思うよね!」

“それで成り立つものがあるんだよね~!”

そっか、そういうことか…
あの紅茶は2人の関係を結んでるんだね。