カチャッと理事長ボタンを押した。ブチっと鈍い音がしてテープが止まった。
「案外残ってるものなんだな」
理事長が懐かしそうな顔をしてふふっと笑う。
和やかな表情をして、静かな声で話し始めた。
「中学生になったばかりの時はこの学園を継ぐのが嫌でな」
テープレコーダーにかかったホコリを払って、ふっと息を漏らして。
「父親の言うとおりになんかなるものかと反発ばかりしていたよ、今の世伊みたいにな」
「…っ」
今度はテープレコーダーをなでて昔を懐かしむ。
「だけどこの学園で清華、…母さんに出会った。母さんは真っ直ぐで一生懸命でこの学校が大好きで、そんな母さんと過ごしてるうちに私もこの学校が好きになってな」
理事長の声が優しくて、それはきっと本当の気持ちだからだと思う。
「そしたらもっとこの学校を良くしたい、この学校を少しでも長く存続させたいと思いが次第に出て来てね…それで三日月学園の先生になるという夢が出来た」
気付けばホコリの払われたテープレコーダーはキレイになっていて、理事長の手はホコリで黒くなっていた。
「それを母さんに話したらえらく喜んでくれてな、その決意を記録に残そうって…この誓いを忘れないようにって担任だったふみ先生と3人でここで録音したんだよ」
「案外残ってるものなんだな」
理事長が懐かしそうな顔をしてふふっと笑う。
和やかな表情をして、静かな声で話し始めた。
「中学生になったばかりの時はこの学園を継ぐのが嫌でな」
テープレコーダーにかかったホコリを払って、ふっと息を漏らして。
「父親の言うとおりになんかなるものかと反発ばかりしていたよ、今の世伊みたいにな」
「…っ」
今度はテープレコーダーをなでて昔を懐かしむ。
「だけどこの学園で清華、…母さんに出会った。母さんは真っ直ぐで一生懸命でこの学校が大好きで、そんな母さんと過ごしてるうちに私もこの学校が好きになってな」
理事長の声が優しくて、それはきっと本当の気持ちだからだと思う。
「そしたらもっとこの学校を良くしたい、この学校を少しでも長く存続させたいと思いが次第に出て来てね…それで三日月学園の先生になるという夢が出来た」
気付けばホコリの払われたテープレコーダーはキレイになっていて、理事長の手はホコリで黒くなっていた。
「それを母さんに話したらえらく喜んでくれてな、その決意を記録に残そうって…この誓いを忘れないようにって担任だったふみ先生と3人でここで録音したんだよ」



