ウェルカム・トゥ・トリックスター

三日月先輩がギリッとくちびるを噛んだ。
理事長がゴクリと息を飲んで、ゆっくり話始める。

「それは2人じゃない3人だ」

右手で3を作って。

「ふざけんなよ!最田ふみと2人で写ってるじゃねーか!しかもにやにやしてなんだこの顔!?」

三日月先輩、それは私情挟み過ぎですっ

確かに写真の理事長はうれしそうですけど!

「よく見てみろ」

「見てるわ!何度見ても2人だわ!」

「じゃあわかるだろ!」

「何がだよ!?幽霊でも写ってるって言いたいのか!?いい加減にしろよ!」

どんどんヒートアップしていく、だけどこの会話はほとんど親子喧嘩じゃない?

表情筋が仕事しないで有名な三日月先輩も力が入ってる…!

「そこに写ってるのは2人でも、それを撮った人がいるだろう…!?」

「…っ!」

た、確かに…!!!

これには三日月先輩も返す言葉がなかったっぽい、1回グッと飲み込んだ。

「そんなの…っ、タイマーでも何でも出来るだろ!証拠がないんだ、なんとでも言える!」

「証拠ならあるぞ」

「どこにだよ?そんなものどこにもっ」

「そのカセットテープだ」