ウェルカム・トゥ・トリックスター

「いや~懐かしいなぁ~!!」

……え?

急にキャピってした明るい声が聞こえて来たんだけど、誰の声?

目つぶってたからわからなかった、今の声は…

「これだこれふみ先生との思い出!まだあったのかぁ~~~~!」

り、理事長~~~!?

理事の声!?

るんるーんと軽やかな足取りで放送室に入って来た。

「おいっ、ちょっと待て!」

三日月先輩もテンパってる、すぐに立ち上がって理事長の前に立った。

「これはなんだ?」

最田ふみ先生との写真をグッと前に出した。

「“ここに誓います”って何のことだ?何を誓ったんだ!?」

仮にもお父さんだと思うけど、しかも理事長だし。
その言い方でいいのかどうか…、でもたぶんそれどころじゃないっぽい。

「この写真はここで撮ったものだ!そして今再生しようとしたカセットテープでそれが確信に変わった…ここで何かあったのは確実、2人で何をしていた?」

さらにぐいっと近寄った三日月先輩が追いつめる。

「母さんがいながら最田ふみと何をしていたんだ!?」

きっと疑いたくもない、理事長と最田ふみ先生のこと。

初恋だなんて、淡い恋心なんか感じられないよね…


三日月先輩のお母さんのことを思ったら。


「世伊…」