……。

今しれっと言ったけど三日月先輩のお母さんもお嬢様なんだ、しかもそれなりにいいとこって。

こないだ家にお邪魔させてもらった時は理事長もお母さんもいなかったからなぁ。


じゃあ三日月先輩がこの依頼を引き受けたのは理事長の淡い初恋じゃなくて、理事長の隠された恋を探してるの?


それは何のために、誰のためにー…


「あ、あった!」

パラパラとめくっていたノートの一番最後のページから1枚の写真が出て来た。まるで大事そうに、忘れないようにノートに綴じてあるみたいな。

三日月先輩が写真を取り出した。

ちょっと近付いてあたしも写真を見せてもらう。


卒業アルバムの理事長だ!
これは間違いなく中学生の理事長だ!!


それに隣に写ってるのは…

最田ふみ先生。


2人とも笑ってうれしそうにしてる、理事長なんかピースしちゃってるし。

「何か書いてあるな」

ペラッと後ろを見たらマジックペンで文字が書いてあった。
たぶん書いたのは理事長かな、その下に名前があるし。書いてある内容は…

「“この場所で誓います”」

「誓います!?」

「真涼声デカい」

「すみません…!」

いやでもだって誓いますってねぇ!?

え、何を?

何を誓っちゃってんの!?


うわーーーー…っ


やばい、これは本当にやばい…

よね?


「ここはどこだ?どこで撮った写真…」

じーっと写真を見て三日月先輩が頭を動かしてる。

あたしの頭はもう全然動かないんだけど。
ここがどことか、どこで撮った写真とか、えっとここは…

「放送室だ!」

「放送室!?ってこんな感じでしたっけ?もっとキレイじゃなかったですか?壁とかイスとか新しくて…」

「それは今の放送室だろ!昔の放送室はそこじゃない!」

昔の放送室…!?
があるの?まだこの学校に、存在してるの…!?