「あのこれって本当にいいんですか?理事長がいないとこを狙って侵入しようってことですよね!?」

なるべく声のボリュームを下げて、見付からないように。

「侵入じゃねぇ、潜入だ」

「どう違うんですか!これって犯罪じゃないんですか!?」

「……。」

やっぱ犯罪なんだ!!!

ストーカーは犯罪って話したのに今度は自分が犯罪しちゃってるの!?

それってどーなのっ

「でもせーくんのお父さんって考えたらギリセーフだよね~」

「何が!?」

いやいやいや!
どう考えてもダメじゃない!?

勝手に理事長室に入るって、もし見つかったら…っ

「出て来たぞ!」

三日月先輩の後ろから覗き込んだら理事長の背中が見えた。
その背中はどんどん小さくなっていて、ずーっと奥の角を曲がって消えて行く…


もっと緊張感が…!


「行くぞっ」

行くんだ!?

本当に行っちゃうんだ!


え、これってあたしも行くやつなの…!?