あんなにぜぇはぁしんどうそうだった三日月先輩の口角が少しだけ上がった、フッて笑ってニヤリと瞳が細くなる。


「へぇ、不倫か」


絶対違うよね!!!

不倫ではなくない!?

初恋の思い出じゃないの?


え、不倫なの!?


なんかよくわからないけど三日月先輩がうれしそうで…
めっちゃいやらしい笑い方してる。

「まぁ、一応引き受けてやろう」

…引き受けるんだ、あたしの依頼は絶対引き受けないのに理事長のことが絡むとちゃんと受けるんだ。

「名前は?まだ聞いてなかったな、1年だよな?」

「あ、はいっ!1年5組最田(さいた)ののです、それで…おばあちゃんの名前は最田ふみです」

「ふーん、最田ふみ…理事長との関係は?」

ずっと手を付けてなかったティーカップに手を伸ばした三日月先輩がゴクリと紅茶をひとくち飲んだ。相変わらずの表情筋は仕事知らずで、さっきまでしんどそうだったのにそのしんどさすら感じなくて。

「理事長が中学生の頃、同じ学校でした!」

最後にわかったとだけ、返してた。