本日火曜日、放課後はトリックスターへは行かないで駅前の牛丼屋さんへ来た。

かと言って食べるわけでもなく、お店のちょっと離れた自販機からひょこっと顔を出してターゲットが現れるのを待つ。

「燎くん今日は女装じゃないんだね」

「もうしなくてもいいからね~」

「え、なんで?」

「今日答えが出るからだよ」

「お前らうるさい黙れ!」

ひそひそ喋ってたら怒られた、三日月先輩に。

「さすが半額デー人が多いな、行列出来てるじゃねぇか」

そうなの、長蛇の列なの。
半額デーの効果すごいよね。

だからちょっと暇で、もう結構時間経ってるし、この行列だし本当に来るのかなって思っちゃって。

「先週の火曜日、海老名花音の後をつけたけどそのまま家に帰って行っただけだった」

「え!?尾行してたんですかっ、尾行はよくないって言ってませんでしたっけ!?」

「しばらく家の前で待ってみても何も起こらなかったからその日はそれだけで調査を終えたけど…」

「あたしの話聞いてませんよね!?」

いつの間にそんなことしてたんだろう、先週ってあたしと花音ちゃんが話したあとだよね?
そーいえばそれを三日月先輩が見てたって燎くんが言ってたけど…

「まさかその後が重要だったとはな」

「あ、来たよ!海老名花音!」

燎くんが指を差した、マスクに帽子をかぶってだけど隠しきれてない縦ロールを揺らしながら足早に駆けて来る今日のターゲットが…!