「ほら、脱げよ」

「いや…っ」

「いやじゃねぇんだよ」

「でもっ」


何がどうしてこんなことになったのか、気付けば三日月のおうちにお邪魔していた。


え、なんで?

なんで三日月先輩の家!?


「早くしろ!ゴタゴタ言ってんじゃねぇよ!」

「…っ」

いつになく大きな声で怒鳴ってる。
あたしを見る目は一段と鋭くて怖くてしょうがない。

てゆーか三日月先輩のおうち大きい!
なにこのソファー!?ふっかふかで気持ちよすぎるのに、クラクラして息ができなくて苦しい…っ

「帯が苦しいんだったら早く着替えろ!!」

「先輩のTシャツとか無理です、着られません~~~!」

「ふざけんなよっ、せっかくここまで運んでやったんだからな!」

あまりの気持ち悪さにあのままうずくまちゃって、それを見かねた三日月先輩がここまで連れて来てくれた。

うちが近いからって三日月先輩の家に…

それもありえないんだけど普通に恥ずかしい!
三日月先輩のTシャツ着るのとか恥ずかしいっ!!

「早く着替えろっ」

ポンッと強引に脱衣所に投げ込まれた。三日月先輩のTシャツと短パンと、たぶんこれに着替えろってことで。

「……。」

これに…
着替えるって、いいの!?

なんかすごい緊張するんだけど…!!?

「気持ち悪…っ」

大きな声出したからまた気持ち悪くなった。

今度はここで吐きそうに…
はダメだ!絶対ダメ!

脱衣所キレイすぎるんだもん…!!!

目の前に洗面所はあるけどピッカピカだし、いい匂いするし、いかにも高そう…見ていたら気持ち悪くなるどころか息が止まりそうなんだけど。

意を決して、ふぅっと息を吐いて帯をほどいた。


あぁ~…息がしやすい~~~~~~!