薄暗い屋台の裏、さっきよりも大きな声で三日月先輩に向かって言い放ってしまった。
すっごいしかめっ面で見られてた、超怖い目つきで。

でもあたしもこのままではいられなくって。

「花音ちゃんは新井くんのこと大好きだと思うんです!」

新井くんのことを話す時の花音ちゃんは気持ちが溢れてるみたいにうれしそうで、新井くんを見る目はキラキラ輝いてた。

「初めてのお祭りデートがうれしいって言ってて、すごいしあわせそうな顔してたんです!うれしそうにあたしに彼氏だって紹介してくれたんです!」

あんな顔できないよ、あの顔は好きな人と一緒にいるからできる顔だよ。

証拠も根拠もないけど、見たらそう思えちゃう…

「だから…っ」

伝わってくるもん、誰かを想う気持ちは止められないから。

「新井くんと一緒にいてあんなにうれしそうに笑う花音ちゃんが浮気なんかしてるわけないです…っ!」


花音ちゃんの気持ちはきっと新井くんに向いてると思うのー…!


「証拠のない言いがかりは嫌いだ」