ポテトを拾おうとした手が止まる、じっとあたしの顔を見るから。

「真涼も来てたんだ?」

「うん…、智くんも来てたんだね」

Tシャツにスボン、浴衣の人が多い中で少し目立って。だけどそれがよかったって思っちゃった。

「ごめん、真涼のポテト」

「いいよいいよ!あたしが食べながら歩いてたのがいけなかったし!」

「お金払うよ」

「全然大丈夫だから気にしないで、まだいっぱいあるし!」

落としたポテトを拾い集める、さすがにこれは食べられないから近くのゴミ箱に捨てようと思って。

「あ、もう1回買う?」

「いいよ、そんなの」

「真涼、ポテト好きでしょ?」

「好きだけどいいって」

「でも楽しみ奪っちゃったかなって」

「智くん優しすぎ!」

近くにあったゴミ箱に落としてしまったポテトを捨てる、欲を出していっぱい乗せたからそれもよくなかったなーって思いながら…

「本当ごめん…、彼氏の前で」

……え?

彼氏?って誰…


「「……。」」


隣を見てハッとした、燎くんと目を合わせてハッとした。

「彼氏じゃないよ!!?」

「え、違うの?一緒に来てるからそうなのかと…」

「違う違うそんなんじゃないから!」

「真涼ちゃんそんなに否定しなくても」

「燎くんはただの…っ」

……。

なんだっけ?えっと、なんて言えばいいんだ??

「探偵…?」