燎くんにポテトの詰め方を教えてもらってマネするようにポテトをこんもりと重ねた。
燎くんいわく、コツがあるみたいでこのコツさえ覚えておけば百戦錬磨らしい。そこまでポテト詰めることないんだけどね。

「でもこれって詰めたあと食べるの大変じゃない?」

「そう、実はこのポテト詰め放題はこのあとが肝心なんだ!食べてる時絶対落とす!!」

「えー、じゃあ詰めすぎない方がいいじゃん」

「でもいっぱい詰めないと勝負に勝った気しなくない?」

「燎くん何の勝負してるの?」

くすくす笑ってほとんど上に乗せただけのポテトをつまむ。揚げたてだったけど詰めてるうちに冷めちゃった、おいしいけどねそれでもポテトはおいし…

「わっ」

こんもりしたポテトを歩きながら食べてたから前から歩いて来た人と肩がぶつかって無理矢理詰め込んだ分を落としちゃった。

せっかく一生懸命詰めたのに!

「あ、すみません!大丈夫…っ」

全然大丈夫じゃない、あたしのポテト…!!

「真涼?」

しゃがみ込んでポテトを拾おうと思ったけど、あたしの名前を呼ぶ声に顔を上げた。

「…(とも)くん?」