「なんだよ?」

「あ、いえ…」


カッコいい…

浴衣姿の三日月先輩カッコいい…!!!


そーなの、お顔がいいって噂があったから私も知ってた三日月先輩だけど最近はひたすらににらまれてたから忘れてた…


見ていたくなっちゃうくらいお顔がいいってこと。


「真涼、言いたいことがあるなら…」

「!」

にらまれたかと思えば三日月先輩が一歩あたしに近づいた。


え、なに…

どうかしたの?


でも後ろは大きな木、とんっと背中がくっついてこれ以上後ろへ下がれない。

ゆっくり顔を近づける、ドキドキ静かに音が鳴り始める。


この音は?

どうして心臓がそんな音をー…


「…っ」


三日月先輩の顔があたしの首元に、触れるー…っ!


「甘い匂いがする」


肌に触れるか触れないかギリギリのところでピタッと止まった三日月先輩がくんっと鼻を動かした。

甘いにおい…?って…

「あ、お香…!」

「お香?」

「好きなんです!これは今お気に入りのお香でアイスクリームみたいな香りがする…っ」

今日もここへ来る前にも焚いて来たから香りが移っちゃったんだと思いながら三日月先輩の方を見上げたら今度はいつも通りにらむみたいな目つきをしていた。

「似合わねぇな」

「…。」


…イラァッ!!!


ちょっと、いやすごく…



カッコいいからってー!!!



「な…っ」

「あ、真涼ちゃん真涼ちゃん!ポテト買いに行かない!?ポテト詰めるの勝負しよっ」