突然ですが、この辺では6月の半ば頃梅雨祭りなんてものがありまして。

梅雨時期に祭りってまぁまぁ攻めてるなーってことは置いといて、屋台がいっぱーい並んだ商店街に地元の子供たちが心躍らせ楽しみにしているイベントの1つなんです。


かくゆうあたしもそんな梅雨祭りを楽しみにしてる1人、だったんだけどなぁ…


「特に変わりは…、ねぇな」

「そうだね~、海老名さんも新井くんも仲良さそうにして歩いてる」

「……。」

なぜ大きな木の後ろに隠れてこそこそしてるのでしょう?

ちなみに今日は土曜日です。
だけどお祭りとかイベントごとは要注意らしいよ。

「祭りの約束は断られなかったってことはここで浮気相手に会うことはねぇか」

「途中で解散したり抜け出したりしなければって感じかな~、真涼ちゃんはどう思う?」

どう思うってそれは…

そんなの…


楽しそうでうらやましい!!!


せっかく浴衣まで着て来たのに見付からないようにして、楽しそうにお祭りに来てるカップルをこっそり観察なんて…!

「めっちゃいい感じかと思います」

こんなのただのカップルのお祭りデート見てるだけじゃん!

うらやましいお祭りデート!!


…と思っていてもそんなこと言えるはずもないから、思った感想だけ伝えといた。


「は?お前真面目にやれよ」

なのに三日月先輩が目を細めてあたしを…


あぁっ、ずるい!

お祭りずるい…!


燎くんに浴衣着て来てねって言われたから着て来たはいいけど、浴衣だったから…


三日月先輩も。