「手紙?差出人はないみたいだけど…」

ハッとした顔であたしを見た。白い封筒を手にしながらたぶん思い出した。

「もしかしてストーカー?」

「……。」

「警察には話したの?」

「…ううん、まだ…」

そっと手紙を返してもらった、差出人もなければ宛先もない真っ白な封筒はどこか不気味で。

「警察も事件性がないと難しかったりするよね、でも何かあってからじゃ遅いし何かある前にどうにかした方がいいよ」

真剣にあたしのことを考えて言ってくれてるのはわかる、心配してくれてるのもわかる。そうゆう人なのかなって思うから。

「じゃあお願いしてくれない?三日月先輩に燎くんから!」

「ごめんね、オレにその決定権ないから」

「……。」

そこは絶対ブレないんだね、三日月先輩が絶対なんだ…
燎くんを味方に付けたらちょっとイケるかなって思ったんだけど、ただ笑って返されちゃった。

「もしかして燎くんも三日月先輩に弱み握られてるの?」

「握られてないけど…も、って何?真涼ちゃん握られてるの?」

「…いや、そうゆうのじゃないけど」

あんな人をにらみつけてくる人だもん、人の弱みにつけ込んだりしてるのかなって。

絶対性格難ありそうだもん、それなのに探偵ってよくわかんない。探偵って誰かを助けるお仕事なんだからもっと優しい人じゃないと…

「せーくんほんとは紅茶嫌いなんだよ」