「真涼ちゃんおっはよ~!昨日はどーだった?」

「深谷くんおはよう、…昨日って何が?」

次の日の朝、昨日の花音ちゃんのことを三日月先輩に報告した方がいいのかなって考えながら学校に来て上履きに履き替えようと下駄箱に手を伸ばしたところで話しかけられた。

「昨日海老名さんと話したんでしょ?」

…話した、花音ちゃんと。

でもどうして深谷くんがそれを知ってるの?

「せーくんが言ってたよ、海老名さんに接触する真涼ちゃん見たって」

「見てたの!?」

見てたんだ、見られてたんだ…!

へぇ、それはどっちの観察?

花音ちゃん、それともあたし?

でもあの時、花音ちゃんに話しかけてなかったらまたにらまれるとこだった…


てゆーかなんであたしが弱み握られてるみたいなの!?


「ありがとうね~!」

深谷くんが下駄箱の扉を開ける、上履きを取り出して履いて来たスニーカーを下駄箱に入れた。

「うちは女の子いないから真涼ちゃんがいてくれて助かるよ、男のオレじゃ限界あるし」

「……。」

全然限界なさそうだったけどね?
めっちゃめちゃかわいかったよ???

あれは誰も男の子って疑わないくらい…

「てゆーかいつの間に真涼ちゃんって!?」

「あ、せーくんが真涼って呼んでたから」

それもまだ納得してないんだけど!
勝手に呼ばれてるだけで…っ

「オレも燎でいいよ」

……。

そうゆう問題じゃないけど、そんなにこって感じで言われたらさ…

脱いだスニーカーを持って下駄箱を開けた、上履きに替えようとしてヒラッと何かが飛んでいった。

「何か落ちたよ?」

「あ、それは…!」