とりあえず行くぞって言われたから三日月先輩のあとをついて深谷くん…かがりんの調査を追いかけるように見に行った。

ちょっと離れたところから顔を出して見付からないように動向を探る、中庭の花壇の前で花を見ながら話すかがりんと…


あれが花音ちゃん、かぁ。


確かにお嬢様って感じの縦ロールしてる。
あの髪型作るの大変そうだなぁ、でもきっとセットしてくれる人がいるんだろうなぁ羨ましい…

「あの三日月先輩?」

「ん」

壁からひょこっと顔を出して、さすがに遠くて2人の会話は聞こえないけど楽しそうに話してるのはわかる。

深谷くんは話しやすいし、誰にでも軽く話しかけちゃうから話しかけられたら全然応えちゃうとは思うんだど…

「あれはバレないんですか?」

女の子に近付くには同性の方がってことはわかるんだけど、深谷くんって気づかれないのかなって。

「うちは1500人を超えるマンモス校だぞ、知らねぇ奴なんてたくさんいるだろ」

「それは…そうですね」

それを言われたらそうか、あたしだって花音ちゃんのこと知らなかったもんね。
今初めてこんな子なんだ~ってわかったぐらいだし、そっか普通はそんなもんだよね。

三日月先輩ぐらい有名な人じゃないときっと知らない…

「なんだよ」

チラッと三日月先輩の方を見ちゃったから案の定にらんで返された。

「なんでもありません」

でもそんな三日月先輩とこうして話す日が来るとは思わなかったんだけど。