ウェルカム・トゥ・トリックスター

がしっと燎くんに腕をつかまれ、ぐいっと校門とは逆方向へと引っ張られた。

「え、待って燎くん!?あたし帰るんだけど!」

「何言ってるの真涼ちゃん!」

そのままグングン歩いていく燎くんに腕を引かれ…
全然離してくれないんだけど!?

「え、ちょっとっ!あの…っ!?」

「あのね、真涼ちゃんこれは一大事なんだよ」

「う、うん?」

そんな大きな依頼が!?

理事長もびっくりなそんな依頼が入って来てるの?

それは確かに一大事かもしれないけど、あたし関係な…っ


「研究会は3人になると部に昇格できるんだよ!」


キラッキラな目してた。
ただでさえ大きな瞳をさらに大きくして、希望に満ちあふれた顔してた。

その隣で三日月先輩は変わりなく表情筋が仕事放棄してたけど。

「え?研究会…??」

って何の話?
え、待って研究会って…

「隠れ部って研究会だったの!?」

部活じゃないの!?
部活って言ってたじゃん!

いや、でもそんなことどーでもいいんだけどっ

「だから今日から部活になったの!」

「これで部費も増えるな、窓でもつけるか?」

「せーくんそこまでの部費は出ないから、あそこ地下だよ?無理だし!」

「じゃあ空気清浄機」

「空気は悪いよね~」

勝手に話が進んでいく、あたしのことなんかお構いなしに。

てゆーか研究会だったこともびっくりだけど、3人になると部に昇格できるってその3人目ってもしかして…!?