たぶん今、励ましてくれてる。

言わないけど、大丈夫?
って聞いてくれてる気がする。


三日月先輩はそんな人だよね。

もういい加減わかっちゃったよ。


「ありがとうございます、三日月先輩」

「は?」

「あたし大丈夫なんで」

だからにこって笑って見せた、三日月先輩の方を見ながら。

泣きすぎて瞳はボロボロだけど、そこは見ないフリしてくださいね?


もう本当に大丈夫なんで、あたし…


「あぁ~~~!いたいた~っ、せ~~~くん!!!」

ぶんぶんと手を振りながら燎くんが走って来た。

「せーくん、依頼人来てるよ!」

「はぁ?めんどせぇな」

「いや、これ部活だから!!」

燎くんがグイグイと三日月先輩の腕を引っ張って無理矢理立たせる。

そっか、今日も隠れ部…じゃなくてトリックスターは忙しいのか。
あの場所を見つける人がいるってことは、悩んでる子たちはたくさんいるんだね。

そんな子たちを助ける人たちがいるから、ここには。


じゃあ、あたしはそろそろ帰ろうかな。
あたしは部活やってないし、もうすることもないし…



まぁちょっとは楽しかったけどね?

トリックスターにいるのも。



隣に置いてあったリュックを背負う、さぁ帰ろうかなって歩き出そうと…

「真涼ちゃんも行くよ!」

「え?」