燎くんが紅茶を入れ直してくれたからさらに香りが広かった。

「いやぁ~、これで解決?よかったね真涼ちゃん!」

「うん、ありがとう」

雨花先輩が帰って行った、これで一応本当に依頼は終わった。

あたしが言い続けて来た依頼、一度手放したあたしの依頼…

「三日月先輩、燎くんも本当にありがとうございました」

ペコッと頭を下げる、依頼もだけどあの時三日月先輩に腕を引っ張られなかったらどうなってたかわからないよね。

それは本当に本当に助かった、助けてもらった。

「いいよいいよ、無事終わったんだから!ね、せーくん!」

「……。」

「なんで今無視すんの?」

…嫌いな紅茶を無表情で飲んでる三日月先輩は変わらない三日月先輩だった。あれだけ表情筋仕事した後だもんね、休憩中みたい。

「でも真涼ちゃんさ」

「なぁに?」

新しく入れてくれた紅茶をあたしも飲む。
香りがよくて飲みやすくて、おいしい紅茶をー…

「真涼ちゃんが謝る必要はなかったんじゃないの?」