あなたがいないと、息もできなかった。



 ──そして、出会った。

 カウンター越しに顔を上げた奏音。

 目が合った瞬間、心臓が鳴った。
 時間が止まった。

 息をするのを忘れた。

 けれど、彼女の声は、落ち着いていた。

「……透真くん……?」

 涙は出なかった。
 ただ、懐かしさと喜びが胸を温めていった。

 「生きててくれてありがとう」
 「ここにいてくれてありがとう」

 そんな気持ちで、胸がいっぱいだった。

 



 ──再会の後、数ヶ月。

 ふたりはもう、依存していない。

 それでも、やっぱり「奏音が好きだ」と透真は確信している。

 弱いままの自分ではなく、
 強くなろうともがいてきた自分で、
 もう一度、奏音を選ぶ。

 

 夜、ギターを抱えて歌う。

 奏音がいない部屋でも、悲しくならない。

 今なら、もう一度ちゃんと、言える。

「奏音。君を、愛してる──ただそれだけで、もう十分なんだ」

 

            終わり