恋とバグは仕様です。 ~営業スマイルで喧嘩して、恋に落ちるまで~





04|仮想じゃなくなる気持ち

 翌朝。

 遥人が帰ったあとの部屋に、一人残された凛は、床に落ちた彼の髪の毛一本にすら、心を揺らされていた。

(──ダメだ。これは“テスト”なんだから)

 でも、どうしても昨日の言葉が離れなかった。

 『お前を手放すとか、マジでバグじゃん』

 ──そう言ったときの声は、営業スマイルでも、皮肉でもなかった。

 ただ、まっすぐで。

 あたたかかった。