しかしあの日と違って、続きの言葉はすぐに聞こえてきた。
「口はキツイし、口下手だし、成樹くんて呼びたそうなのに中々呼ばないし、俺がなんで琴ちゃんって呼んでいるかも知らないし気づいてくれない」
「琴ちゃんが言っていたのにね、『名前呼びが好き』って。大学に友達もいないのに独り言は多くて、本を読んでいてもスマホを見ていても幸せそうに独り言が漏れる時がある。隠れてお昼休みに大学の裏庭でタブレッドで恋愛ドラマを見ながら『名前呼び良いなぁ』って呟いてることも気づかないし」
「俺がたまに琴ちゃんの隣のベンチでお昼ご飯食べていたことも気づかないし、スマホじゃなくてわざわざタブレッド持ってきているし、話しかけたら俺のこと気づくかと思ったら『誰ですか?』だし」
桐谷くんは一歩だけ私に近づいた。
「口下手すぎてメッセージは既読になってから異様に返事が遅い。もしかして俺が琴ちゃんのこと好きかもって勘付いていたくせに、俺の一つの言葉で勘違いして去っていく」
桐谷くんが私にもう一歩近づけば、桐谷くんはもう目の前に迫っていた。
目に涙を溜めている私を見て楽しそうに笑っている。
「口はキツイし、口下手だし、成樹くんて呼びたそうなのに中々呼ばないし、俺がなんで琴ちゃんって呼んでいるかも知らないし気づいてくれない」
「琴ちゃんが言っていたのにね、『名前呼びが好き』って。大学に友達もいないのに独り言は多くて、本を読んでいてもスマホを見ていても幸せそうに独り言が漏れる時がある。隠れてお昼休みに大学の裏庭でタブレッドで恋愛ドラマを見ながら『名前呼び良いなぁ』って呟いてることも気づかないし」
「俺がたまに琴ちゃんの隣のベンチでお昼ご飯食べていたことも気づかないし、スマホじゃなくてわざわざタブレッド持ってきているし、話しかけたら俺のこと気づくかと思ったら『誰ですか?』だし」
桐谷くんは一歩だけ私に近づいた。
「口下手すぎてメッセージは既読になってから異様に返事が遅い。もしかして俺が琴ちゃんのこと好きかもって勘付いていたくせに、俺の一つの言葉で勘違いして去っていく」
桐谷くんが私にもう一歩近づけば、桐谷くんはもう目の前に迫っていた。
目に涙を溜めている私を見て楽しそうに笑っている。



