その名前呼びは、反則。

「ねぇ、琴ちゃん。あの日の続きを言っても良い?」

「聞きたくない! それにもしあるならなんであの時言わないの!」

「まぁ、琴ちゃんならそう言うよね。続けるけど」

「続けないでって!」

どれだけ私がそう言っても桐谷くんは止まってくれなかった。




「琴ちゃんって不器用だよね」




あの日の嫌な言葉がもう一度耳に入って、嫌でもあの日の状況を思い出す。