いつか「ほんと」になれたら


「ねぇ、艾葉! これすごい美味しいよ」
「本当だ。美味しい」
 
 
 とにかく、クッキーも喜んでもらえたみたいでよかった。
 後は──、


「咲凜、喜んでもらえて良かったね」
「わたしも今ね、同じこと考えてたの!」
「そうなの? 僕たち、気が合うのかも」
「えへへ、嬉しい」
 
 
 テレパシーかと思っちゃうくらいぴったりなタイミングで、エリックに話しかけられて驚く。

 しかも、同じことを考えていたなんて。
 ちょっとした“お揃い”にも、つい胸が高鳴ってしまう。

 エリックが大好きだからこそ、わたしはもう一歩を踏み出してみることにした。
 
 
「…エリック」
「どうしたの?」
「ずっと会いに行けなくてごめんね」


 2年前から、ずっと言えなかった言葉。
 今さらだろうし、きっとわたしの自己満足だけど、それでもどうしてもエリックに伝えたかった。