いつか「ほんと」になれたら



 なんて言えばいいのかな。
 

 気まずくしてしまってごめんなさい?
 ううん、余計に気まずくなるよね。

 どうして芽蕗ちゃんがここにいるの?
 すごく気になるけど、今聞くことじゃないかも。
 
 
「おめでとう! ほんとによかったねぇ、ぐすっ」
「もう純恋さん……ほら、泣かないの」
「だってぇ…」


 わたしは色々と考えていたけど、みんな特に気にしていなかったみたいだ。
 それどころか、わたしたちに向けられる視線はどれも温かい。

 艾葉ちゃんと純恋さんの微笑ましいやり取りも、何もかもがいつも通り。

 
「純恋ちゃん、うちのハンカチ貸そうか〜?」
「わーい、芽蕗ちゃん大好きー!」


 芽蕗ちゃんの謎すぎる人脈の広さも、相変わらずご機嫌な純恋さんも。
 一緒にいるだけで楽しい気持ちになれる、この空間が心から好きだと思える。

 だから、わたしも貰った優しさを返したい。


「あの、これ、お世話になったお礼のクッキーです」 
「わぁ〜! ありがとう!!」


 目を少女のようにきらきらと輝かせた純恋さんが、頭を撫でてくれた。
 普段頭を撫でてもらうことなんてなかったから、なんだかくすぐったい気分だ。