いつか「ほんと」になれたら


「艾葉、咲凜ちゃん! おかえりー!!ってあれ?その人は?」
「純恋さん。この前咲凜が話してた、エリックさんだって」
「あ、そうなんだー! いらっしゃい」

 
 花苑家に着くと、相変わらずハイテンションな純恋さんが出迎えてくれた。
 予想通りのあっさりした反応に、安心感すら覚える。
 
 何事もなく受け入れてもらえて、嬉しそうなエリックにこっそり話しかけられる。
 
 
「ねぇ、咲凜」
「どうしたの?」 
「これからは夢の中じゃなくて、毎日現実で会えるから」
「うん! 嬉しい」
 
 
 わたしの手を固く繋いでくれたエリックが、優しい表情を浮かべる。

 会えたこと、同じ世界にいること。何もかも嬉しくて、幸せ。
 それでも、今まで避け続けてきたことへの申し訳なさが募るばかりだった。