いつか「ほんと」になれたら

 思いがけない形で再会した、わたしとエリック。
 色々と驚かされたけど、その後のことは予想通りに進んでいった。

「あの、艾葉さん。本当にいいんですか?」
「はい!家族もすぐに許してくれるので」

 そう。わたしに続き、エリックも花苑家に居候すればいいと艾葉ちゃんが提案してくれたのだ。


 エリックが申し訳なさで震えている様子は、つい数日前のわたしそっくり。

 純恋さんと会った後は、心配せずとも受け入れてもらえると思えるようになったけど。わたしがそのことを話したら、艾葉ちゃんに首がもげるほど同意された。

 
「艾葉ちゃんの里親の純恋さんはね、この前わたしにも『ひとり増えたところで変わらない』って言ってくれたの!」
「そうだったんだ。優しい人で良かったね」


 エリックの言葉に、わたしも艾葉ちゃんも大きく頷く。純恋さんのことを褒められている時の艾葉ちゃんはすごく嬉しそうで、見ていて微笑ましい。

 
「だからエリックさんのことも、純恋さんなら何とも言わないですよ。私が保障します」
「わたしも!!」
「咲凜と、咲凜の信頼してる親友が言うんだったら間違いないね」

 そう言って、どこまでも優しい眼差しを向けてくるエリックに心の奥が温かくなるのを感じた。
 絵本の中と外じゃ伝わらない、同じ世界だからこそ感じる温度だ。

 エリックと2人以外で話すのなんて初めてのことで、わくわくしたり少し不安だったりしたけど、他の人がいることで新しい一面も知れたからよかった。

 そんなことを考えてはただただ口元を緩めていたわたしに、艾葉ちゃんは珍しく悪そうな表情で教えてくれた。