助けて欲しいと思っての一言だったけど、まさかそこまで艾葉ちゃんが言ってくれるとは思わなかった。
私もついて行くから、一緒に燐人くんと話してみよう。少なくともわたしの知っている艾葉ちゃんなら、そう言う気がしていた。
「咲凜、家出する気はない? うちで匿うよ」
「うっそ、艾葉が壊れた!?」
艾葉ちゃんとは幼馴染だという芽蕗ちゃんも、見たことがないくらい焦っている。さすがに壊れて…はいないんだろうけど、そう思ってしまう気持ちはよく分かる。
「それで咲凜、どうする?」
「家出…する」
せっかくの艾葉ちゃんの言葉を、断る訳がない。
決心したわたしが頷くと、艾葉ちゃんはこう宣言した。
「じゃあ、今から私の家に帰ろっか」
「わ、分かった」
この展開を少しは期待してたけど、…やっぱりこの親友、行動力が高すぎる。



