いつか「ほんと」になれたら


「…まぁ、会えば分かるわ」
 

 適当じゃんか!!
 確かにそっちの方が早そうだから、もう何も言わないけれども。



◇◇◇

 
 わたしたちが待ち合わせ場所のレストランへ到着すると、その人は席から手を挙げて合図をした。

 
「咲凜、この人がお父さんよ」
「はじめまして、えみりです」
「こちらこそ初めまして。よろしくね」
 

 わたしが緊張しながらも挨拶をすると、優しい目をしたその人は、…ううん、お父さんはわたしと目線を合わせて話してくれた。
 なんだか、良い人そうだ。
 
 お母さんが選んだ人だから、素敵な人なんだろうなとは思ってたけど。
 

「君に似て愛らしいお嬢さんだね」
「……あら嬉しい」


 …しかも褒め上手ときた。
 
 いつものかっこよくて少し強がり(ツンデレ)な姿からは想像もつかないくらい、お母さんは素直に照れている。

 この人なら、お父さんなら、絶対にお母さんを幸せにしてくれる。
 


 それからお父さんは、後ろに立っていた少年に声をかけた。
  
「ほら、燐人(りんと)も挨拶しなさい」
「分かってるよ、父さん」

 
 …うわぁ、かっこいい。

 
 エリック以外の人に一切興味のなかったわたしでさえも、つい見つめてしまうくらいには、彼はかっこよかった。

 高校生くらいになった時には、爆モテどころか、乙女ゲームの攻略対象者にでも据えられていそうである。