いつか「ほんと」になれたら

 エリックとの運命の出会いから3年の月日が経ち、わたしは8歳になった。

 
 今日は、わたしのお母さんの再婚相手との顔合わせの日。元からお母さんはシングルマザーだったから、再婚っていうには微妙だけど。

 そして、わたしはお母さんと手を繋いで、顔合わせの場所まで向かっていた。
 

「ふふ、早く咲凜にも会って欲しいな〜」
「それさっきも聞いたー」
「だって本当に素敵な人なんだもの!」
 

 このやり取りは、もう本日5度目だ。わたしとお母さんの時間感覚のずれを疑ったが、たぶん正常。

 …ということは、わたしは5回にわたって惚気を聞かされたことになるのだが、まぁ、お母さんが幸せそうなので良しとする。

 そして、お母さんはほんのりと頬を赤く染めたまんま、とんでもない爆弾を投下してきた。

 
「でも、咲凜もお兄ちゃんができるの楽しみでしょう?」


 ………ん???
 お兄ちゃん??

 何それ初耳。 


「あら、もしかして言ってなかった?」
「…うん」

 
 そういう大事なことは早く言ってよ、お母さん!!!

 ジト目で見つめるわたしの視線を受けたお母さんは、つー、と視線を逸らした。