いつか「ほんと」になれたら


 『そっか、無事みたいで良かった。』

 そう言いかけて、開いた口をもう一度閉じる。
 
 僕は自分の耳を疑った。



 だって。

 咲凜は今、何と言った?
 惚れ直した? ………僕に?
 
 
「惚れ直したってことは…咲凜は僕のこと好きだったの?」
「え、あ、え、うん、えっと、はい」
「その言葉がずっと聞きたかった」


 頬を赤く染めた咲凜を、もう離れないように強く強く抱きしめる。

 咲凜が好き。
 緊張して、言葉が詰まってしまうところも好き。

 存在全てが心の底から大好き。


「助けてくれてありがとう、エリック」
「どういたしまして。これからも側で守らせてね」
「うん…! よろしくね」


 咲凜が好き。咲凜も…僕を好きと言ってくれる。
 だから、この先も僕たちは隣にいられる。

 またひとつ、咲凜の側にいるための言い訳が増えた。


 こんな幸せ、他にあるだろうか。