いつか「ほんと」になれたら



 お皿も、咲凜もつかまえて、ため息を吐く。
 助けられたみたいで良かった。


 お皿は艾葉さんや純恋さんが大事にしているものだそうだから、割れたら咲凜も悲しむだろう。
 僕自身の手で、悲劇を避けられたことがただひたすら嬉しい。
 
 こういう時のために、僕はこの世界まで来たんだなと改めて実感する。
 
 
 咲凜は、常に見ていないとどうなるか分からないような怖さがある。

 生き生きしている咲凜は可愛いけど、せめてもう少しでも……いや、そこは僕が気を配るから問題ない。
 何かあった時に駆けつけるのも、咲凜の無垢さを守り抜くのも、全部僕だけの役割になったらいいのに。


 嫉妬に独占欲、他にも色々な欲望で溢れた人間()の胸の内を知ったら咲凜はどう思うだろうか。


 普段から好き好き言われてきたはずなのに、いざとなると嫌われないか不安になってしまう。
 
 
「大丈夫?」
「ありがとう…。惚れ直しちゃった」