「生地を混ぜるのって、こんなに大変だったんだ…」
「力仕事は僕がやろうか?」
「でも、さっきからエリックに頼りっぱなしで申し訳ないよ」
側にいられることが僕の幸せだから、咲凜が僕をどう思っていようが、関係ないはずなのに。
友達としか思われていなくても、咲凜の隣を歩けるなら僕は、喜んでその立場を受け入れる。
絵本の王子様という偶像だろうが、友達だろうが、もはや何でもいい。
僕は咲凜の隣が欲しい。咲凜が幸せだって思う瞬間が欲しい。
それでも、少しくらいは僕のことを意識してくれたりしないかな。
良心半分、下心半分で力仕事担当に名乗り出る。こんな卑怯者を気遣ってくれる、心優しい咲凜にはやんわりと断られちゃったけど。
どこまでも純粋で、ふわふわと温かい咲凜が大好き。
僕の“好き”と咲凜の“好き”が一緒だったらいいと思ってしまうのは、わがままだろうか。



