何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


ペコリと軽く頭を下げると眼鏡イケメンがパチパチと手を叩きながら、

「すずチャンかぁ。可愛いね。俺は皆藤つかさ(かいとうつかさ)って言います。これからよろしくね」

ニッコリ笑った。

…これが所謂(いわゆる)キラースマイルというやつなのだろうか。

「…う、臼井遣都(うすいけんと)って…いいます…」

ふわふわイケメンは警戒心MAX。

「んで、俺が鳥海翠(とりうみすい)」

こともなげに名前を告げた彼にまたもや2人のイケメンが目を見開く。

「え、なに?翠とすずチャンもまさかの初対面なワケ?」

「ん?ああ。さっきそこでナンパした」

「さっき!?ナ、ナンパッ!?」

イケメン三人衆に、不思議に思っていたことを聞くためにわたしは思い切って口を開いた。

「…あの、翠さま、遣都さま、つかささま。その『ナンパ』とはいったい何のことでしょうか…」

わたしが言い終わると同時に3人の挙動がピタリと止まった。