何もかも失ったわたしに待ち受けていたのはイケメン達との極甘な同居生活でした


「ほ、本当に大丈夫でしょうか…?」

「大丈夫だってぇ。ほら、翠、早く車出してよ」

「うるせぇな。言われなくてももう出発するよ。すず、覚悟はいいか?」

不安でいっぱいなわたしとは対照的に、意気揚々としている翠さまとつかささま。

「は、はい…」

わたしの弱々しい返事を合図に、車はわたしの実家を目指して勢い良く発進した。



ことの発端は昨夜のつかささまの、あの一言だった。

「そ、そういえばわたし、まだお父様にもお母様にもなんの連絡もしていませんでした…っ!」

一気に青ざめたが、千聖さまと連絡先を交換した時はまだ誰からも連絡はきていなかった。

「うわぁ。自分の両親のこと、お父様お母様って呼ぶ人に初めて出会ったかも」

若干引いているつかささまの言葉も、今は頭に入ってこなくて。

急いでスマホを確認すると、着信は一件もなくて、お父様からショートメールでひと言、【帰って来い】とだけ入っていた。