「わっ、なに。すずチャン顔、真っ赤。さては意外に色々と経験済み?」

「なっ!わたしはまだどなたにもこの身を捧げてはっ、」

「すずストップ。つかさもあんまりすずこことからかうなよ」

見兼ねた形で翠さまがわたしに助け舟を出してくれた。

「ハハッ、すずチャンの反応が可愛いから止まんなかった。ゴメンね、すずチャン」

手を顔の前で合わせて『ゴメンね』のポーズをとったつかささま。…ウインクも忘れずに。

「すず、今日は疲れただろうからもう寝ろ。部屋に案内するから。こっち」

「え?あの、わっ!」

言うなりグイッとわたしの手を引き、翠さまはリビングを後にした。

階段をのぼり、その階段を真ん中に両端にドアがあるところの向かって左側の部屋の前まできたわたし達。

「ここ、すずの部屋。取り敢えずベッドとドレッサーだけはあるけど、明日にでも必要なもの全部買いに行こうな」

「あ、あの、」

「ん?」