彼の秘密は、溺愛付き。

「私も三原くんが好き……! 本当、に……大、好きな…の…!」

嗚咽で途切れ途切れになった言葉だったのに、三原くんは「幸せ」と笑った。





「平塚さんが無理しても無理しなくても俺は平塚さんが大好き。でも、無理しないで。たまにカフェでお茶出来るくらいの余裕を持って、一緒に甘いケーキを食べよう」





その約束を守りたくて。






「ずっと平塚さんのことしか好きじゃないんだ。平塚さんが楽しそうに笑ってくれるだけで嬉しい」

「無理するときは俺が止めてあげる。疲れた時は俺が癒してあげる。寂しい時はずっと手を繋いであげる」

「それで、甘えたいときは……キスさせて」






この甘さを大切にしたくて。

泣いていてぐちゃぐちゃの顔の私に三原くんは「可愛い」と呟いて、優しくキスをした。







「もう平塚さんの隣以外考えられないから、ずっと隣にいてくれる?」




「私も三原くん以外いないっ……!」







三原くんに優しく抱きしめられて、私は抱きしめ返す。

せめてこの幸せと感謝が伝わるようにぎゅーっと抱きしめた。

その日は満月が出ている夜でも、星空が綺麗な夜でもない。

それでもでも私たちにとって、その日は特別の日に変わった。

だからこの幸せを忘れないように、今日という日を大事にするように……私はその日の夜空を目に焼き付けた。