彼の秘密は、溺愛付き。

試験は思ったよりも淡々と終わって、苦手なジャンルの問題が沢山出題された訳でも、かといって得意なジャンルの問題が沢山出題されたわけでもなく。

それでも最大限力は出し切ったので、あとは結果を待つだけだった。

試験が終わってからの初めての週末、三原くんと出かける日の朝。

私はクローゼットを開けて手持ちの服と睨めっこしていた。

「これにする……?」

前に買った新品のスカートはもうカフェに着て行ってしまったし……といっても、カフェに着ていったことのない服なんてない。

毎週通っていれば、当たり前に色んな服を着ていく。

それなのに「三原くんに見せたことのない服で行きたい」と考えてしまう。

三原くんが私の服を覚えているはずがないので自己満足だけれど。

何とか悩みながら去年買った中で一番お気に入りのワンピースを選んだ。

服装は中々決められなかったので、とりあえず髪型や小物に合わせてこのワンピースにすることにした。