彼の秘密は、溺愛付き。

その日の夜は、結局22時まで残っていた。

他の人のデスク周りの電気は消えているのに、私のデスクの所だけ電気がついている。

日中とは違うその景色に慣れてしまっては駄目だと分かっているのに、どこか落ち着く感じもして自分が疲れていることに気づいた。

そんなことを考えているうちに思考が鈍くなって、眠たくなっていく。

「10分だけ仮眠を取ろうかな……」

私のいるフロアはもう誰もいないので、スマホで10分のタイマーを設定して机に突っ伏した。


頑張らないと。ちゃんとしないと。

もうミスしたくない。次は失望されるかもしれない。

優しい言葉もかけてもらえないかもしれない。

月永ちゃんだって私が頼れる先輩じゃなかったら離れていくかも。

それに三原くんもああ言ってくれたけれど、きっと頑張っている私が好きだよね。

嫌われたくない、ミスしたくない……思考が鈍くなってしまって、いつもは考えないような弱音が頭をめぐる。

ああ、でも良いよね。

誰にも聞かれないし、あとは寝るだけだから。







「頑張らないと……」







寝る間際に自分がそう呟いたことすら気づかない。

そんな鈍さじゃ、寝ている私のそばに三原くんが来たことなんて気づくはずがなかった。








「平塚さんのばか」








目を覚ませば、それは甘くて知らない世界の始まり。