案外、日常なんてそんなもので。

よっぽどの美人とか、自分の仕事に自信を持っているとか、そんな人でないと隣の部署の人気社員に声をかけようとすら思わない。

仕事で関わる必要があるならまだしも、私の仕事で三原さんと関わる必要はない。

社内ですれ違ったこともあるし、顔は知っているだろうけれど、もしかしたら相手は私の名前すら知らないかもしれない。

会議が成功して、家に帰って、少し豪華なデリバリーをとって、好きなドラマをつけながらのんびりする。

そんな日常はありきたりだけれど、嫌いじゃなかった。


「んー、明日はいつものカフェで勉強しますか」


土曜日の日課になっているカフェでの資格の勉強。

仕事に役立つ資格を勉強して、それが仕事に活きているを実感出来ると嬉しい。

土曜日の午前はカフェで勉強、午後からは余裕があったら、日曜日は勉強をせずに遊ぶ。

それが私の日課になっていた。