彼の秘密は、溺愛付き。

「お待たせ。ごめん、コーヒー冷めたよな?」

三原くんは先ほどのお客さんから注文を聞いた後、キッチンに戻ってすぐに私の元へ来た。

カフェの制服から急いで着替えてきたのだろう。

今の三原くんの服は普段の仕事の服と似ているから、午後から休日出勤があるのかもしれない。

「ううん、本当に大丈夫」

実際コーヒーはそんなに冷めていないし、元からチョコケーキを食べ終えてから飲むつもりだったので三原くんが気にすることは何もなかった。

そんなことより今の私の問題はこの緊張した空気をどうするかだ。

しかし緊張しているのは私だけのようで、三原くんはキッチンから運んできたコーヒーを穏やかな雰囲気で口に運んでいる。

整った容姿の三原くんがアンティークなコーヒーカップを持っているだけで絵になるようで近くのお客さんからの視線を独り占めしていた。