彼の秘密は、溺愛付き。

気づけば、テーブルには美味しそうなチョコケーキとホワホワと湯気の上がったコーヒーが置かれている。

私に声をかけなかったことを考えると店長さんか奥さんが持ってきてくれたのだろう。

「今日は三原くんはお休みだったかな」と考えながらチョコケーキを口に運ぶと、甘いチョコとオレンジの酸味が口に広がった。

三原くんはまた来て欲しいと言ってくれたけれど、今週の土曜日もいると言った訳じゃない。

むしろ今まで会うことは少なかったのだから日曜日に働いていることが多いのだろう。

別に会いたかった訳じゃないし、何より三原くんに会うために来ているカフェじゃない。

そんなことを考えながらチョコケーキを食べていると、自分が三原くんのことばかり考えていることに気づいた。


いや、あんなことがあったからだから! それ以外の理由はない!


と、自分に自分で言い訳してしまう。

その瞬間……







「前に言った通り、そのチョコケーキ美味しいだろ?」







ビクッ、と身体が跳ねたのが分かった。