彼の秘密は、溺愛付き。

カフェに入るといつも通り店長さんが席に案内してくれる。

三原くんの姿は見えなかったが、今日がお休みの日なのかキッチンにいるのかは分からなかった。

それでも顔を合わせずらかったのもあって、店長さんが席に案内してくれてつい安心してしまう。

私が「前に教えてくれたオレンジのチョコケーキ、今日はありますか?」と聞くと、店長さんは嬉しそうに微笑んだ。

「今日はあるよ。妻に茅音ちゃんが来たら教えてあげて欲しいって頼まれていたんだ。先週は僕の確認不足でごめんね」

「いえ、全然大丈夫です! じゃあ、今日こそチョコケーキでお願いします」

「コーヒーはいる?」

「いります!」

私の注文を聞き終わり、店長さんはキッチンに戻っていく。

私はついそのままキッチンに視線を向けてしまう。

三原くんがキッチンにいるかもしれない、そんな考えが頭に浮かぶ。

私はそんな考えを飛ばすように少しだけ首を振って、「今は資格の勉強」と自分に言い聞かせる。

今日は復習も兼ねて、勉強内容をまとめた資料を作る予定だった。

集中出来るか心配だったが、パソコンを開いてキーボードでカタカタと打ち込んでいけば意識は勝手に勉強に移っていった。