彼の秘密は、溺愛付き。

何の変哲もない左手、それでもまだどこかあの日の感触が残っているようで。

鏡を見れば、前に着なかった新品のスカートをまとった自分が立っている。

会社の人がいると思うとラフな格好より少しお洒落したいと思っただけ。

三原くんだからじゃないし、三原くんがこのスカートが新品だと知るはずなんてない。

なのにまるで意識してしまっているような自分の行動に恥ずかしくなってしまう。

それでも、もう準備も終えてカフェに行くことへの気持ちは固まっていることを本当は分かっていた。

私は「よし、勇気出そう!」と心の中で唱えて、家の扉を開けた。