彼の秘密は、溺愛付き。

「平塚さんは毎週カフェに来ているの? 資格の勉強をしているって奥さんから聞いたけれど」

まだ私の頬は少し赤くなったまま。

先ほどの出来事を忘れた訳じゃない。

それでも、まるであの雰囲気から逃げるように私は会話を続けていく。

「うん、資格の勉強のために。この仕事が好きだから、『役に立ってる!』って自分で自信をもって言えるようになりたいの」

私の言葉を三原くんは目を逸らさずに聞いてくれる。

三原くんはちゃん話を聞いてくれているだけなのに、私は恥ずかしくて堪らなかった。

「オレンジのチョコケーキ、俺はもう味見で食べさせて貰ったけれど美味しいよ」

「本当!?」

「ああ、絶対食べに来てほしいくらい」

そう話す三原くんは先ほど「逃さない」と言うように手を掴んだ雰囲気に戻りそうで。

私は逃げるように席を立つ。