(もう、こんな思いさせたくない) そこからは、怖がる彼女を支えることに、全力を注いだ。 引っ越し先の候補を出して、荷物の手伝いをして、弁護士を紹介して。 どんなに自分が必死になっているかなんて、気づく暇もなかった。 それくらい――彼女の存在が、俺の心を締めつけていた。